島根県信用保証協会

経済産業省が伴走型の支援を進めています。今後は従来の課題解決型の支援と比較して、より中長期的な視点で企業を支援するやり方がスタンダードになっていきます。この背景として、ウクライナ情勢や原油価格高騰、円安など、外部環境の不確実性が高まってきており、企業内の経営資源だけでは対応が難しくなってきていることがあげられます。

経済産業省以外の省庁では中小企業に対して、どのような支援を行っているのか確認していたところ、偶然にも島根県信用保証協会の資料を見つけました。

起業支援によるコロナへの挑戦
https://lfb.mof.go.jp/chugoku/content/shiryou03.pdf

どのページも中小企業への支援の思いが込められており、勢いもあって素敵だなと思います。自分も中小企業を支援したいという初心の勢いは忘れないようにしたいと思いました。

町工場の娘 (ダイヤ精機代表取締役社長 諏訪貴子氏)の講演を聞いて

ちょっと前になりますが、11月8日に中小企業経営診断シンポジウムに参加してきました。

世間的には全く知られていませんが。「中小企業診断士」の制度が始まった「中小企業診断実施基本要領」が昭和23年11月4日に制定されたことを記念して、11月4日は「中小企業診断士の日」となっています。前後1週間を中心に、全国で中小企業診断士のPRイベントが開催されています。

東京では11月8日に東京ガーデンパレスでイベントが開催されて、無料経営相談会や研究発表が行われていました。

そのイベントの中で、ダイヤ精機株式会社 代表取締役の諏訪貴子氏の基調講演がありました。「町工場の娘」としてドラマにもなった方の講演ということで、現地でもオンラインでも多くの方が参加していたのが印象的です。

その講演では氏が登壇する横に大きな花が飾ってあったのですが、講演の冒頭で氏がその花の移動を依頼することがありました。

花瓶の移動を依頼するイメージ

その理由は、氏から見て右手に座っている方の顔が見えないということでした。一人ひとりの目を見て講演を行いたいと言うのが氏の希望だったのです。多くの人の前で話すことは誰だって少なからず緊張するものだと思いますが、その中で一人ひとりに相対して話をしたいという氏の言葉に感銘を受けました。

父の急逝に伴い、急に町工場を事業承継して、色々失敗しながらも最後には世界的に有名な企業に大躍進させた。そんなストーリーで語られがちな経営者ですが、結局の所は極めて単純な「人の目を見て話をする」に成功の理由があるのかもしれません。私も中小企業の支援の際には、経営者の目を見て話をする姿勢を忘れないようにしたいと思います。

伴走支援勉強会

千葉県中小企業診断士協会主催の「伴走支援勉強会」の運営に携わらせていただきました。Zoomの司会は何度やっても慣れなくて緊張します。

ちなみに伴走支援とは現在経済産業省が進めている施策で、下記のように定義されています。

①経営課題の設定のための支援を強化すること、②経営改善や成長のために実行していくべき方針の内容に経営者が「腹落ち」することにより企業の潜在力を引き出すことは、いずれもすなわち中小企業、小規模事業者の経営力を強化(再構築)することに繋がる。よって、このような支援モデルを「経営力再構築伴走支援モデル」と称することとする。

出典:経済産業省 伴走支援の在り方検討会報告書
https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220315002/20220315002-1.pdf

これまで企業の販路開拓や資金繰りなどの課題を解決するための助言を行う支援だったものから、一歩引いた視点で経営課題の設定からの支援を行うものになります。

出典:経済産業省 官民合同による伴走型支援について
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/bansou/index.html

補助金の申請支援などで事業計画書を作成して、手っ取り早く成果報酬をいただくのに対して、伴走支援は長期間の支援となります。やりがいがある分、責任感も重大です。

勉強会の講師の今井和夫先生からは、「中小企業診断士の仕事はたくさん勉強して自分自身も成長し、支援企業から感謝されてお金がもらえる、大変幸せな仕事である」という言葉をいただきました。いつか自分もそんな素敵な言葉を後輩に伝えられたらいいなと思います。

埼玉県中小企業診断協会 スキルアップ研修

埼玉県中小企業診断協会主催のスキルアップ研修に参加してきました。(ちなみに埼玉県の協会は「診断士」の「士」が入っていないので、キーボードで入力する時にいつも間違えてしまいます。)

埼玉県協会は私の所属する千葉県協会よりも会員数が多く、研修の運営がしっかりしていたのが印象的でした。例えば上の写真のインタビューボード。これがあるだけで不思議と「ちゃんとしている感」が出るんですよね。千葉県協会でも購入するように理事会に提案したいと思います。

研修で印象に残ったことは色々ありましたが、埼玉県会長の髙澤彰先生が「補助金の申請書作成だけの支援依頼はお断りしている」という話をされたことです。これは、そもそも事業計画書は経営者が作成するものであり、中小企業診断士は企業の経営力を高めることを支援するものであるという、崇高な使命感が根底にあります。

出典:企業診断ニュース2021年5月号

補助金の申請支援件数や補助金の額は数値化しやすいので、実績をアピールする際に使用されがちですが、中小企業診断士として大切な根本を見失わないようにしないといけないなと痛感しました。

中小企業診断士の年収の推移

一般社団法人中小企業診断協会のページに「中小企業診断士に関するアンケートデータ」があったので眺めていたところ、「あなたのコンサルタント業務の年間売上(又は年収)はいくらですか。」という質問がありました。

出典:データで見る中小企業診断士2016年版(https://www.j-smeca.jp/contents/data2016/p05.html#q19)

年間100日以上活動している診断士を対象に、年間の売上を聞いたようです。2005年、2011年、2016年、2021年の4回の回答結果があります。それぞれの年に対して、「前年に比べて〜」というコメントがついてますが、統計は傾向を見ないとだめだよなと思ってまとめたものがこちらになります。

出典:データで見る中小企業診断士から筆者作成

最新2021年の801〜1000万円が56%で突出している他、300万以下が減少していることが明らかになりました。東京都の平均年収が475万円であることを考慮すると、なかなか夢がある金額なのかなと思います。

ただ、このアンケート。回答は必須ではありませんし、年収を裏付けする確定申告書等の提出も義務付けられてません。見栄を張った金額で回答したり、年間100日も活動していなかったりする先生を考慮すると、全体的に低く見積もった方が良さそうです。

ちなみに2021年の回答数は1179件でした。中小企業診断士の数が約27000人、信頼度95%、精度5%に必要な回答数は379件なので、統計学的には十分な回答数です。

業種別審査辞典

業種別審査事典を購入しました! 全1513の業種の業界動向や課題がガッツリ掲載されている本です。お値段22万円也。銀行マンがの融資の判断の際に参考にするそうなので、中小企業診断士個人が持っているのは珍しいのかもしれません。

補助金の申請支援の他、経営改善や創業支援など、一層力を入れて取り組んでいきたいと思います!

事業承継時特別補償制度

「事業承継時特別補償制度」をご存知でしょうか?

「親父の跡を継ぎたいけど、億の借金の保証人になるのはちょっと…」という方に向けて、事業承継時の経営者の保証を解除する政府の施策です。

70歳以上の経営者の約半分(127万人)が後継者がきまっておらず、個人保証を理由に承継を拒否している割合が高いと中小企業庁が発表しています。要するに、この個人保証を解除する制度を作れば、事業承継が進むよねという話。

中小企業庁 事業承継時の経営者保証解除に向けた総合的な対策https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/hosyoukaijo/2019/191220kaijo01.pdf

それで、全国の都道府県の保証協会がこの制度を案内しているわけですが、案内の仕方にちょっと温度差があるなと思ったのが今日の話。

9割くらいの保証協会は、中小企業庁?から支給されたリーフレットの下の方に「○○県信用保証協会」を入れて案内している感じです。

中にはパワポで作り直してちょっと残念な感じになっているケースや…

たぶんプロのデザイナーに発注してると思われる高いレベルのがありました。

いづれにせよ、この制度がもっと広まって、事業承継が進むと良いなと思いました。

小規模事業者持続化補助金 コロナ特別対応型

小規模事業者持続化補助金 コロナ特別対応型、第4回目の締切分が発表されました。採択率は3割を切って悔しい思いをしている会社様も多いかと思います。

今回採択された補助事業名をテキストマイニングしたものがこちら。
やはり今回もオンライン販売のECサイト構築や飲食のテイクアウトが多かったようです。

2回目の締切分の発表には約2ヶ月、3回目は約3ヶ月、4回目は約4ヶ月かかっていることから、申請数も右肩上がりになっているようです。5回目締切分の発表は3月末頃でしょうか。世間は受験シーズンですが、合格発表を待つ受験生のように、支援先の企業様の採択結果をドキドキしながら待つ日が続きそうです。

中小企業診断士の強み

縁があって、とある会社様のPR動画をお手伝いさせていただきました。納品完了したら公表したいと思います。

自分の強みとは

さて。最近は中小企業診断士として、自分の強みとはなんだろうなとよく考えます。

社労士の資格を持っている方であれば人事系のコンサルをやったり、IT系の会社出身の方であれば、ITで生産性向上とか、ヒト・モノ・カネの見える化とか。金融機関出身であれば融資相談とか。それぞれの経歴や知識を生かして活躍している診断士がたくさんいらっしゃいます。

自分の場合は、残念ながら上記のような尖った経歴が無いので、何か分かりやすいセールスポイントを作らないといけないなと思っているわけです。

最近は補助金の申請の支援をよく行っておりまして。経営者の事業計画をお聞きして、文章や資料を作成しているのですが。「そうそう、私が言いたかったのはこんなことなんだよね。形にしてくれてありがとう!」と喜んでいただいてます。

もしかしたら私の強みは、実直に話を聞いて、それを的確にまとめる能力なのかもしれないなと思ったのですが。たぶんそれは中小企業診断士ならば誰もが身につけているスキルなのかもしれませんね。

中小企業診断士の強み

ところで、中小企業診断士そのものの強みとはなんだろうと考えてみた場合、次の3つのことを思いつきました

  • 経営についてある程度理解していること
  • 難しい試験を頑張った真面目さがあること
  • 守秘義務守れそうなこと

一番上のは個人の能力によるところが大きいのでなんとも言えませんが、残りの2つってかなり重要だと思うんですよね。誰に相談していいかわからないときの取っかかりとして。知名度が低い資格なのが残念ですが、中小企業の力になりたい!と思ってみんな勉強してきたので、どうか相談先の一つとして活用していただければ幸いです。

ちなみに、中小企業診断士の守秘義務については、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」の第5条7号に明記されています。わざわざ守秘義務契約を結ばなくても、守秘義務守れなかったら登録を消されるリスクを背負ってますからご安心ください。

第五条 経済産業大臣は、申請者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を拒否しなければならない。
七 正当な理由がなく、中小企業診断士の業務上取り扱ったことに関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用した者であって、その行為をしたと認められる日から三年を経過しないもの

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=412M50000400192

最小の手間とコストで最高のメガネVR環境を作る方法

最新のVR機器のオキュラスクエスト2を買ってみたんですが、眼鏡をかけているので眼鏡がずれたり、鼻パットが押し付けられたり、眼鏡のつるがこめかみを圧迫したりと、ストレスを感じることが多いです。

そこで、最小の手間とコストで快適なメガネVR環境を作る方法を発見したのでご紹介します。VR機器専用のレンズを注文する前に一度お試しあれ。

用意するもの

・使わなくなったメガネ
・100均の台所用スポンジ(もしくはそれに似た何か)

メガネのつるを外す

使わなくなったメガネのつるを外しましょう。精密ドライバーが必要になりますので、お手元に無い方は100均のスポンジと一緒に買っておくといいでしょう。

メガネのフレームに合わせてスポンジを切る

メガネのフレームに合わせてスポンジをカットしましょう。後でVR機器に詰めるので、厳密にやらなくてもOK。大雑把で大丈夫です。VRの機器に詰めるので、フレームの少し内側のサイズで切るほうがいいかもしれません。

VR機器にメガネとスポンジをセットする

メガネとVR機器の中心を合わせてメガネとスポンジを詰めましょう。余ったスポンジはメガネの位置の微調整に使えます。

デメリット

いかがでしたでしょうか。ちょっと貧乏くさいですが、100円と5分があれば快適なメガネVR環境を手に入れることができます。ただ、ご家族でVR機器を使用していたり、ちょっと友達に機器を使ってみてもらうときは、せっかく微調整したメガネを外す必要があります。

その点、VR機器専用のレンズは取り付けるだけで微調整が不要です。そこに価値を見いだすことができそうですね。

最後に

中小企業診断士は費用対効果(ここでは手間とコストに対するVR機器の快適な環境)や、他社と比較したときの強み(ここでは専用レンズと比較)などを検討して、経営者に提言を行います。

中小企業診断士になって一年半、そんな思考が自然とできるようになってきたなと。この記事を書きながらふと思いました。