安田正著「一流の自分の魅せ方」から学ぶ自己演出のコツ

「自分の魅力を、もっとうまく伝えられたら…」多くのビジネスパーソンがそう感じているのではないでしょうか。

安田正さんの著書「できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方」では、自分自身を無理に変えるのではなく、元々持っている良さを最大限に活かす「見せ方」を工夫することで、自分の魅力を何倍にも高める方法について書いてありました。

これは、ビジネスパーソンだけではなく中小企業診断士や経営者にとっても、非常に役立つ視点でした。

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欠点は魅力の原石

著者の安田さんは、かつて「頑固で上から目線」と周囲から見られ苦労しましたが、その「頑固さ」という個性を、社長としての立場にふさわしい「見せ方」に変えた結果、状況は一変。「頑固さ」が、困難な仕事も最後までやり遂げる責任感や粘り強さとして評価されるようになり、会社も成長軌道に乗ったのです 。

これは、「性格を変えた」のではなく「見せ方を変えた」結果です。安田さんは、ネガティブに思える側面や苦手意識こそが、実は自分を大きく変えるエネルギーを秘めた「変身ポイント」なのだと指摘します 。

多くの人は自分の「本当の強み」に気づいておらず、持っている長所を活かしきれていません 。しかし、成功している人は特別な才能があるわけではなく、自分の特徴を最大限に活かす「見せ方」を心得ているのです 。

魅力の源泉となる「5つの力」

安田さんによれば、誰もが基本的に次の5つの強みのどれか(あるいは複数)を必ず持っています

  • 全体を見る力(俯瞰力): 高い視点から物事の全体像を把握し、一歩先を読む力です 。
  • 相手の気持ちをわかる力(共感力): 相手の心によりそって考え、行動する力です 。
  • すじ道を立てて考える力(論理力): 物事を筋道立てて考え、誰もが納得しやすい形にまとめ上げる力です 。
  • 人を楽しませる心(サービス精神): 相手を楽しませたり、気分を高めたりする力です 。
  • 人を大切にする力(尊重力): 相手に敬意をもって接し、その意向を忠実に守ろうとする力です 。

これらの素晴らしい力も、見せ方一つでその印象は大きく変わります 。大切なのは、既に持っている力をどう魅力的に「見せる」かを考えることです 。

専門家として特に注目したい3つの力と、その「見せ方」のヒント

中小企業診断士として特に重要だと感じた3つの力と、それぞれの「見せ方」のコツを本書から紹介します。

全体を見る力

「全体を見る力」は、物事の全体像を把握し先を読む能力です 。リーダーシップに繋がる一方、高圧的と誤解されることもあります 。 変身ポイント: 自分の意見を言う前に、相手の困りごとやメリットを考えること 。私たち専門家も、まず経営者の悩みに耳を傾ける姿勢が信頼を生みます

相手の気持ちをわかる力

相手の心に寄り添い、細やかに配慮する力です 。良い関係を築けますが、自分の意見を言えないこともあります 。 変身ポイント: 共感を示した上で「~はどうですか?」と提案する練習をしましょう 。専門家は、社長の気持ちを理解した上で具体的な提案を示すことが大切です。

すじ道を立てて考える力

情報を整理し、論理的かつ分かりやすく伝える能力です 。問題解決に役立ちますが、冷たい印象を与えることもあります 。 変身ポイント: 正論だけでなく、相手の感情にも配慮すること。例えば「個人的には~」と前置きしたり、「他の考え方もあるかも」と添えるのが有効です。

専門家としての「見せ方」を深く考える

この「一流の自分の魅せ方」を通じて、私自身の中小企業の専門家としての「見せ方」にも、多くの気づきがありました。

  • 自分自身を深く知る重要性: 私たちは、無意識のうちに自身の得意な「力」に偏ったコミュニケーションを取りがちです。本書は、まず自分自身の強みと、それが周囲にどう映っている可能性があるのかを客観的に知る「自己認識」の大切さを教えてくれます 。
  • 「変身ポイント」を成長の糧にする: 自分の弱点だと感じている部分も、見せ方を変えれば強みになります 。例えば、コンサルタントにありがちな「細部にこだわりすぎる」という特性も、「徹底した分析力」という強みに転換できるはずです。
  • 「本物」であることのゆるぎない強み: 本書が一貫して伝えているのは、「自分を変える」のではなく「自分の見せ方を変える」ということです 。表面的なテクニックではなく、自分の中にある本質的な強みを効果的に伝える工夫が、信頼に繋がります。

さいごに:あなたらしい「一流の魅せ方」を

安田正さんの「一流の自分の魅せ方」は、自分の強みを再発見し、活かすための実践的なヒントが詰まった一冊でした。ネガティブな面も「変身ポイント」と捉え 、自身の魅力を最大限に引き出しましょう。この本が、あなたがより輝くための「見せ方」を見つけるきっかけになれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

千葉と東京を中心に中小企業の支援を行っている中小企業診断士です。千葉県中小企業診断士協会理事、生成AI研究会幹事。
2019年診断士取得、毎日着物生活は6年目に突入しました。穏やかな語り口と着物の見た目から、経営者の悩みを聞いたり、従業員の本音ヒアリングを得意としています。
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