着物を着た中小企業診断士
毎日着物生活が6年目になったので、ここで一旦着物生活を振り返ってみようと思って言語化してみました。結婚式やお正月のような特別な日だけではなく、普段着として着物を着てみようと思った方への参考になれば嬉しいです。
着物を着るようになったきっかけ
高校生の頃は古文が好きで、大学に入学した後は、なんとなく興味があった能のサークルに入ってみました。先輩たちは色んな古典芸能に詳しくて、OBの皆さんはすごい企業で活躍していて。しかも舞を舞ったり、和楽器の演奏も素敵で、いつか自分も先輩方のようになりたいと思っていました。
学園祭では発表の機会があり、いつもは洋服をきているサークルの友達が、ビシッと黒紋付を着ている姿に惚れ惚れとしたものです。ちなみに黒紋付とは、黒い着物に家紋が入ったもので、一番格式が高い「第一礼装」と呼ばれるものです。結婚式の和装から羽織を脱いだものを想像していただければ大体あってます。
そんな雅な学生生活もつかの間で、実家からの仕送りがなくなったので、毎月数千円かかるサークル活動は辞めざるを得ませんでした。今思えば無理してでも続けておけばよかったなと後悔しています。
大学院を卒業して就職したら安定した収入を得られるようになりました。また着物を着たくなったので、今度は会社のサークルでお茶とお花を習うようになりました。会社からサークルの運営に補助が出てて、週1の練習を500円くらいで習うことができたのはラッキーでした。毎週の練習は洋服で習っていましたが、年に1回の発表会の場では、みんなビシッと着物を着てたのが印象深いです。
そんなこんなで、大学から社会人になるまで、色んな習い事で着物を着てきました。着物を着ていると、何となく気持ちが張り詰めるというか、見られているという意識で自分を律することができるようになります。中小企業診断士として活動するときには、着物を着ることで気持ちを切り替えていこうと思って、毎日着物生活が続くようになりました。
着物の買い方 1つ目 呉服屋で買う
さて、ここまでお読みになられた方は、少なからず着物に興味があるようですので、ここからは着物の買い方についていくつか所見を述べさせていただきます。これをお読みになられた方が、着物にもっと興味を持つようになって、何かの行動のきっかけになるといいなと思います。
私が初めて自分のお金で着物を買ったのは、社会人で初めてのボーナス(寸志)をもらった時でした。当時のお茶の先生に着物を買うことを相談したところ、馴染みの呉服店を紹介してもらい、その呉服店で正絹の色無地と長襦袢、仙台平の袴(※)の一式を新調しました。
今思うと、呉服店からお茶の先生にキックバックがあったんだろうなと思いますが。当時はボーナスを散財したことと、初めての着物にテンションが上がって、そんなことは微塵も考えていませんでした。
白いシルクの生地を黒以外の一色に染めた着物。家紋が入っていればフォーマルに、家紋が入っていなければカジュアルに着られるので、汎用性が高いよ! 全身をシルクで纏うなんてとっても贅沢だね! でも家だと洗濯できないので、ランニングコストは高いよ!
着物の下に着るインナー。インナーにも全身シルクを着るなんて狂気の沙汰みたいだけど、着心地は最高だよ! もちろん家だと洗濯できないのでランニングコストは高いよ!
宮城県の仙台市で生産される高級絹織物を使った袴。袴の最高級品として知られているんだって。アウターにもシルクを着るなんて(以下略)!
お茶や観劇などの特別な日に、たまに着物を着るのであれば、呉服屋さんで接客をしてもらって正絹(シルク)の着物を買うのはいいと思います。着物を買いに行って、反物に触って、あれこれ考えて、採寸してもらって、お金を払って、和裁士の方に仕立ててもらうのを待って、仕立てあがったものを引き取りに行く。その一連の消費行動の一つ一つが思い出深いものになることでしょう。
でも、ここでは普段着としての着物をお伝えしたいので、普通の呉服屋ではなく、普段着着物の呉服屋についてお話ししたいと思います。
着物の買い方 2つ目 普段着着物の呉服屋で買う
普段着の着物の呉服屋とは何ぞや?とお思いの方も多いと思います。お洋服では「ファッションセンターしまむら」から「シャネル」まで、用途や価格で色んなブランドの分類があるように、着物の世界においても色んな分類があるように思います。(個人の意見です)
例えば、加賀友禅(石川県金沢市を中心に生産される手描き友禅染)は作家性が前面に押し出されて、「2代目〇〇先生の新作!100万円」みたいな売り方をされていたり。その一方で、産地も素材もよく分からないような、5000円の反物もあるわけです。
普段着着物という観点でいえば、毎日着ることが前提になります。毎日着るということは、毎日洗濯するということです。つまり、正絹のようにクリーニングが必要なものは普段着着物とし着るのはちょっと難しくなります。
では、家で選択できる着物は何になるかというと、答えは「木綿」、「麻」、「綿麻」の着物になります。なお、ポリエステル素材の着物も家で洗濯できますが、着心地の観点からお勧めできません。着崩れしやすいですし、冬は静電気に、夏は通気性に悩まされます。これは6年間着物生活をして得た経験です。
独断と偏見で選ぶ 普段着着物の呉服屋2店
つまり、「木綿」、「麻」、「綿麻」の着物に力を入れているところが、普段着着物の呉服店ということになります。たまたま入った呉服店がこれらの素材の反物のラインナップがたくさんあったらいいですね。でもその可能性は限りなく低いと思います。
なぜならば、着物の売り上げが減ってきているから。総務省の家計調査年報は、1世帯が年間に支出する色んな費用を分類して統計的に調査していますが、1世帯当たりの和服の支出は下記のようになります。
さりげなく家計調査のデータが出るのが中小企業診断士らしいですね。実はこれ、呉服屋の支援を行った時のデータの再利用です。
2000年に1世帯あたり7888円の支出があったものが、2021年には1527円に下がっています。20年間で約80%の減少です。中小企業診断士で色んな業界の推移を見ていますが、これだけ顕著に下がっている分野はあまり見たことがありません。
具体的に言うと、昔は25世帯くらいの中の1世帯が1着20万円の着物を買ったのに対して、現在は130世帯くらいに1着となっている訳です。社会的に「所有から利用」に、「モノからコト」にシフトしているので、レンタル着物の方が盛んになっていることもありますが、何にせよ着物が売れなくなってきています。
そうすると呉服店はどうするか。売り上げは客単価×客数ですから、売り上げを維持するためには、客数が減った分の客単価を上げる必要があります。上記の「木綿」、「麻」、「綿麻」の着物は正絹に比べて単価が安いので、客単価を上げるため提案しにくくなります。その結果、「木綿」、「麻」、「綿麻」の着物は世の中から少なくなり、普通の呉服屋から普段着着物を買うことは難しくなっているのです。
そんな状況の中、敢えて普段着着物に力を入れる呉服屋があります。「売上=客数×客単価」で、客数を上げに行く戦略ですね。普段着着物というニッチな業界でトップを取りに行く勇気ある経営判断だと思います。今回紹介する下記の2店は、私の毎日着物生活を支えている企業なので、今後も頑張ってほしいと願ってます。
・あづまや きものひろば
愛知県西尾市の呉服店。スタッフの全員が毎日着物を着てお仕事していらっしゃいます。普段着着物で知らない方はいない程の有名なお店です。
3代目代表の柴川義英氏は、2010年からYoutubeでの発信に取り組まれていたり、新型コロナウイルス感染拡大で来店数が減ったことをきっかけに業界初?のリモート接客を始めたり、全国から和装メーカーを集めて国内最大規模のイベント「きものサローネ」を開催したりと、ネットでもリアルでもご活躍されている方です。
私は店舗に行ったことはありませんが、東京で開催されるイベントで柴川氏を何度もお見掛けしました。イベントではいつも忙しそうにしていらっしゃったので、お声をかけるタイミングは無かったのですが、いつの日か毎日着物生活の御礼をお伝えしたいと思っています。
・染織こだま
宮崎県宮崎市にある呉服店です。木綿だけで数百種類の在庫があるので、木綿好きの私としてはとても嬉しいです。産地だけではなく、模様からも商品を選ぶことができるので、使い勝手の良い通販サイトになっています。
でもやっぱり実際に手に取って、肌触りを感じて買ってみたいですよね。安心してください!染織こだまさんは、あっちこっちで出張販売を行っていらっしゃいますので、手に取って買うことも可能です。その場で採寸もしていただけますので、仕立て終わった着物を送ってもらえます。
色んな商品がある中で、個人的な推し商品は「ちくちくパック」です。これは、反物を買うときのオプションで、反物を各パーツ(袖、身ごろ、おくみ、えり、かけえり)に切って、縫う位置に印をつけた状態にしてくれます。ひたすら印に沿って縫っていけば着物を仕立てることができる! いつか自分で着物を仕立ててみたい方にとっては夢のようなオプションです。
私は自分で着物を仕立てていますが、この「ちくちくパック」を知らなかったので、和裁の教科書と何時間も格闘して覚えました。「ちくちくパック」から和裁を始めたら、もっと楽に覚えられたこと間違いありません。
着物の買い方 3つ目 古着を買う
特に新品へのこだわりがなければ、古着の着物を買うのもいいでしょう。リサイクルショップやメルカリでは、大量の中古着物が販売されています。
ただし、販売する側が素材についての知識が乏しい場合が往々にしてありますので、多少の経験が必要になるでしょう。正絹と思って買ったらポリエステルだった、ポリエステルと思って買ったら正絹だった。そんなことがあるかもしれません。着物には洋服みたいな洗濯表記タグがないので、店員に聞いても分からなかったら諦めましょう。
なお、正絹は燃やすと髪の毛のようにジリジリと燃えて、黒褐色の灰になります。ポリエステルは燃やすと黒煙が上って硬い玉になります。ほつれたところを1本取って燃やして判断する方法がありますが…。
そのようなわけで、中古でも正絹やポリエステルは避けた方がいいでしょう。正絹は家で洗濯できないですし、ポリエステルは着心地が悪いです。やっぱり普段着着物として着るのであれば、木綿か麻の着物が良いと思います。木綿は所謂Gパンと同じ肌触り、麻は独特のシャリシャリした感じなので、触ってみれば分かるでしょう。
中古の着物を買うときに一つ注意しておきたいのは、昔の日本人は今よりも背が低かったということです。おじいさんやおばあさんが着ていたような年代物の着物は、身長が高いと確実に着られないです。私、身長182cmなので、中古の着物がジャストフィットしたことはありません。
これは反物の幅にの歴史に関連しています。着物を仕立てるためには体のいろんな箇所を採寸しますが、その中でも重要なサイズは裄と着丈になります。図にするとこんな感じ。
着物の着丈は反物の長さで上限が決まります。反物は長めに織られているので、着丈が足りないということはあまりないように思います。もし着丈が足りなかったら、腰揚げ(腰の部分を折り返して着丈を調整するところ)を省略したり、袖を作務衣みたいに筒袖にすることで、適切な着丈に調整することが可能です。
問題になるのは裄の方になります。身ごろと身ごろ、身ごろとそで、そでの端でそれぞれ最低1cmの縫い合わせが発生するとすると、裄の最大の長さは、反物幅×2 -4cmになるわけです。私はの裄は76cmくらいなので、逆算すると反物幅は少なくとも40cm必要になります。
で、昔の着物の反物幅は江戸時代で36cm程度でした。今よりも1割くらい小さいですね。そこから幅広の反物を織ることができる織機が出てきたり、日本人の平均身長が伸びてきたことで、現在の40cm前後の反物幅になりました。どんな感じで反物幅が広くなっていったかは分かりませんが、祖父の世代(約60年前)の反物幅は38cmくらいでしょうか。裄の最大は72cmくらいになるので、昔の着物をそのまま着るのは難しそうですね。
中古品で昔のいい着物はたくさん出回ってますので、背が低い方はぜひお店に足を運んでみてください。参考までに訪問したことのある中古着物店を紹介します。
・リサイクルきもの福服
新宿と浅草に店舗を構える中古着物屋。通販も行ってます。女性用だけではなく、男性用の中古着物がたくさんあります。通販では商品のおおよそのサイズ、使用感、どの季節に着るか、材質などで検索できるので、お目当ての着物をとても探しやすいです。中古きものだけではなく、自社オリジナルの新品既製品着物もあります。
独断で選ぶ着物必読書
さて、それじゃ呉服店やリサイクルショップに行って普段着着物買ってこようとはなかなかならないと思いますので、普段着着物を始めるのにうってつけの本をご紹介します。
私達は洋服については、子どもの頃は親から一方的に与えられて、物心ついた頃には親と一緒に買物に行って、思春期の頃からはお小遣いで能動的に買うようになったと思います。これまでの経験や失敗を積み重ねてきたことで、自分らしい洋服や、自分好みの肌触りや質感を選べるようになったわけです。
一方で着物については、特に普段着としての着物については、経験も失敗もゼロからのスタートになります。私の場合は、ゼロからスタートして色々経験していくこと自体が、ゲームの攻略みたいで楽しかったように思います。でもせっかく普段着着物を始めようとする方が、何かで失敗して辞めてしまうのはとても残念だなと思います。そこで、着物にまつわる失敗談が載っている本の紹介です。
きくちいま氏は着物のある生活を綴るエッセイスト兼イラストレーターで、毎日着物生活をしていらっしゃいます。着物にまつわる色んな本を出されていて、肩肘張らない文体とイラストでとても読みやすいです。「きくちいまが伝えたい 買ってはいけない着物と着物まわり」は、「買ってはいけない着物」について、具体的に丁寧に教えてくれる本なのでお勧めです。
着物関連の本は、着付けなどの実用的なガイド本から、著名人エッセイまで数多く出版されていますが、買ってはいけない本はほとんどありません。これは客数が減っている着物業界で、売上を維持するために、高い着物を買わせたがる傾向があることを批判することに繋がるからです。エッセイスト兼イラストレーターで生計を立てていて、着物業界に直接関わっていない、きくちいま氏だからこそ書けた奇跡のような本だと思います。
着物を着るメリット
普段着で着物を着るメリットはたくさんありますので、いくつか紹介してみたいと思います。
・前向きな気持ち
着物を着ると前向きな気持ちになることができる気がします。どうしても目立つので、見られている意識が働いて、自分を律することで、いつも前向きな気持ちになっているような気がします。
・流行に左右されない
何世紀も前からある民族衣装ですから、洋服ほどの流行り廃りがありません。袖の形状や袴の長さの変遷はありますが、基本的には同じ着物です。なので、「あの人今年もあの服を着てる」感じが無いのがいいですね。逆に物を大切にする人という印象が与えられるかもしれません。
・所作がかっこいい
テーブルの上の調味料を取るときに袖を押さえる、階段で着物の前を片手で少し上げる、正座をするときに着物の裾を揃えて羽織の裾を開く。これらの所作はとてもかっこよく、洋服にはない動きです。着物を着ている人にとって必要なものなので、着物を着ていると自然に身につけることができます。
・ポケットはないけど袖がある
「袖の下」という言葉がありますが、ポケットの代わりに色々入れられて便利です。普段はハンカチや手ぬぐいを入れていますが、スマホや財布も入れたらカバン無しで外出することも可能です。ただし、間違って羽織の袖に入れてしまうと落ちてしまうので注意。着物の袖は脇の下ですぼまってますが、羽織の袖は筒状になっているので、羽織の袖に入れたものは脇の下で止まらずに落っこちてしまいます。
・勝手に良い印象が得られる
わざわざ着物で着てくれたのでいい人だ、日本の文化を大切に思う人だ、ファストファッションに依存していない人だ、年収高そうな人だ、ある意味おしゃれ、自己ブランディングが確立している等、勝手にいい印象を持たれているように思います。いやいや、こちらはズボラで毎日のコーディネートも適当なんですけどね。
・目立つ
やっぱり洋服の集団の中の着物は目立ちます。身近なところで千葉県中小企業診断士協会の約500人の中で普段から着物を着ているのは私だけです。私の他にすごい先生はたくさんいらっしゃいますが、私に理事の白羽の矢が立ったのは、着物を着ていて目立っていたからだと思います。
・それほどお金はかからない
洋服だと2〜3年前のものはちょっと流行が過ぎてしまったものに見えるかもしれませんが、着物はそんなことはありません。ほつれたり破れたりしても繕えばいつまでも着られます。初めて自分で仕立てた木綿の着物は、6年くらい経過して、表面はだいぶくたびれてきましたが、良い風味になってきたとも言えます。
詳しくないのでよく分かりませんが、ビンテージのデニムも同様に、経年劣化で風味が増すのでしょう。木綿の着物も似たような感じだと思います。
反物で2万円、仕立代で2万円、合計4万円の着物でも、10年間着ることを考えたら、年間のランニングコストは4000円になります。そう考えるとそれほどお金はかからないですね。
着物を着るデメリット
普段着で着物を着るデメリットについても解説しておきましょう。
・支度に時間がかかる
まだ着物を着るのに慣れていなければ、支度に時間がかかることがデメリットになります。私は1分くらいで着られるようになりましたので、特に不便は感じていません。
・行動に制限ができる
階段は2段飛ばしで歩けなくなります。自転車はなんとか乗れます。トイレも慣れたらどうにかなります。(チャックやボタンがない分、男性の小は洋服より着物のほうが楽です。)
・袖が引っかかる
扉のレバー、階段の手すりなど、出っ張ったものに袖が引っかかるので、慣れるまではイライラします。着物を着ることに慣れていても引っかかります。着物の袖は出っ張ったところに引っかかるものだと、諦めの境地に達することでイライラはなくなります。
・目立つ
良くも悪くも目立ちます。たまに外で着物を着ている方をお見かけすると、思わず見てしまいます。向こうもこっちを見てくるので、目が合うとなんとなく気まずい感じになります。
・自分が知っている人の数 > 自分を知っている人の数
着物を着て目立っているので、周りからはよく知られています。初めての名刺交換の時でも「以前からお見かけしていまして…」といっていただくことが多くなってきました。こちらは初めてのつもりでお話していると、虚を突かれたような感じで恐縮してしまいます。すみません。
・初期費用がかかる
着物や羽織の他に、足袋や雪駄、帯、羽織紐、襦袢などが必要になります。いいものを揃えようと思えば高くつきますが、それなりのものであれば初期費用は抑えられると思います。
ちなみに2024年11月の私は、オールシーズンの木綿の着物4着+襦袢Tシャツ3枚+帯1本+羽織2着を着回しています。着物4種×羽織2着で8パターンのコーディネート。靴はドクターマーチンのサイドゴア。冬の雪駄は足が冷えるのでブーツがお勧め。適当でいいんですよ着物なんて。
中小企業診断士は着物を着よう
ここまで約8500文字、お読みいただきありがとうございました。
着物を着るようになってから、本当にいろんなことがありました。中小企業診断士としては、経営者の方と着物の話で盛り上がったり、呉服店の経営支援を行わせていただいたり、千葉県協会の理事に大抜擢されたり。ひとつひとつ思い返したら、追加で8500文字書けそうなくらいです。
他には、何故かご年輩の方から拝まれたり、商店街の市場調査で道端で歩行者の数を数えていたら占い師と間違えられたり、着物警察から着物にスニーカーは変だと言われたり、歩いているうちに帯がほどけて着物がはだけたり、袴の片方の穴に2本の足を入れて半日気が付かなかったり。思わず思い出して笑ってしまうような経験や失敗もたくさんあります。
こんな素敵な経験は着物を着ていなかったらできなかったわけです。普段着で着物を着始めることはとても大変なことかもしれませんが、この記事が、誰か(特に中小企業診断士)の普段着着物生活を開始する背中を押せたらいいなと思いながら、筆を置かせていただきます。
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