自ら挑戦する人材を育成するセミナー

こんにちは。中小企業診断士の西優です。

いつもは経営理論や支援事例についてお話ししていますが、本日はまず、私自身の個人的な体験を共有させていただくことから始めたいと思います。

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ギラン・バレー症候群

実は、2023年の9月に「ギラン・バレー症候群」という10万人に1人の難病に罹患しました。これは自己免疫疾患の一種で、急激に手足の麻痺が進行する病気です。

一時はどうなることかと思いましたが、幸いにも早期発見と治療のおかげで、現在は日常生活を送れるまでに回復しています。(まだ顔の右半分に少し麻痺が残っていますが、これもリハビリを続けています。)

病床でよぎった、たった一つの後悔

2週間の入院。動かぬ体で天井を見つめる日々。正直に言うと、死を非常に身近に感じました。

100kmマラソンを7回も完走するくらいに体力には自身がありましたが、数十メートルを歩くだけで、疲れて動けなくなってしまいました。階段も数段上がるたびに、ちょっと休憩が必要なくらいです。

そして顔面が麻痺して、うまく口を閉じることができなくなっていました。食べ物を口に入れて咀嚼すると、口を閉じたつもりでもボロボロとこぼれてきます。窓ガラスに写った自分の情けない姿を見ると、今度は目から涙がボロボロとこぼれてきました。口の中のご飯と、よだれと、涙の三重奏です。

どうしてこうなってしまったのか。
なぜ10万人に1人の病気が自分なのか。
自分は一生このままなのか。

経営者の皆様も、日々の業務に追われ、自らの「終わり」を意識することは少ないかもしれません。しかし、人間は(そして企業も)いつか必ず終わりを迎えます

その絶対的な事実を突きつけられた時、私の胸に去来したのは、家族への感謝や仕事の心配だけではなく、もっと生々しい「後悔」でした。

もっと、いろんなことに挑戦したかった

中小企業診断士として独立し、多くの経営者の挑戦を支援してきた自負はありました。しかし、いざ自分の人生を振り返った時、「失敗を恐れてやらなかったこと」「周囲の目を気にして諦めたこと」が、次から次へと思い浮かんだのです。

平穏な日常の中では「現状維持」が最適解に見える瞬間があります。しかし、すべてを失うかもしれない瀬戸際で、私の本能が求めたのは「安定」ではなく「挑戦」の記憶なのだと痛感しました。

経営者は「虎」になってはならない

私の屋号を「山月記経営研究所」と名付けているのは、中島敦の小説「山月記」が私自身の戒めだからです。

主人公の李徴(りちょう)は、才能を自負しながらも俗物と交わることを嫌い、自らの「挑戦」(詩作)に固執するあまり、他者との関係を絶ち、最後は虎になってしまいます。彼は「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」が原因だったと語ります。

今回の療養体験を通じて、私はこの「山月記」の解釈が少し変わりました。

李徴の悲劇は、彼が「挑戦しなかった」ことにあるのではありません。彼が自分一人の挑戦に固執し、他者の挑戦を支え、応援する視点を失ったことにあるのではないか、と。

社長一人が挑戦し、社員が傍観する組織

これは、中小企業の経営者にとってとても大切なことだと思っています。

多くの経営者は、ご自身が最も優秀な「プレイヤー」であり、「チャレンジャー」です。しかし、組織が成長するにつれ、経営者の役割は変わらなければなりません

経営者が李徴のように自らのプライドや成功体験に固執し、現場の社員の小さな挑戦や異論を(無意識にでも)潰してしまう。その結果、社員は「どうせ社長がやる」「言っても無駄だ」と挑戦を諦め、組織は活力を失っていく

社長一人が挑戦し、社員が傍観する組織。
それは、いつか「虎」になってしまう李徴と同じ、孤独で脆い姿です。

「挑戦を応援する組織」へ

幸いにも私は虎にならず、再び人間の社会に戻ってくることができました。

そして、固く決意しました。
これからの私の使命は、自分自身が新たな挑戦をすることはもちろん、それ以上に、誰かの挑戦を応援する立場になることだと。

病床で後悔した「もっと挑戦したかった」という思い。
これは、私一人のものではありません。貴社の社員一人ひとりも、心の奥底では「もっと挑戦したい」という思いを秘めているはずです。

経営者の皆様の真の「挑戦」とは、その社員たちの小さな火種を見つけ、それを守り、育て、大きな炎にする「仕組み」と「文化」を創り上げることではないでしょうか。

それは、「失敗を許容する」という生易しいものではありません。
「挑戦した事実そのものを、成功と同等に評価する」という、明確な意思決定です。

  • 失敗から学ぶプロセスを仕組み化していますか?
  • 「やらない理由」より「やる方法」を議論する会議になっていますか?
  • 挑戦を称賛する文化が、日々の行動に表れていますか?

私自身、この新たな使命を胸に、まずは「挑戦を支援する人材」を育成するためのセミナーから再スタートを切ることにしました。

挑戦を支援する人材育成セミナー

このたび、病からの復帰第一弾として、オンラインセミナーを開催いたします。
私の体験から得た「挑戦する組織づくり」のエッセンスを、士業やコンサルタント、そして経営者の皆様と共有できれば幸いです。

日時:11月18日(火)AM10〜11時
形式:オンライン(Zoom)

ご興味のある方はぜひ日程を確保いただけますと幸いです。
士業の皆様は、ぜひ顧問先・支援先の経営者様もお誘い合わせの上、ご参加ください

死の淵から生還した中小企業診断士として、皆様の、そして皆様の組織の「挑戦」を、これから全力で応援してまいります!

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この記事を書いた人

千葉と東京を中心に中小企業の支援を行っている中小企業診断士です。千葉県中小企業診断士協会理事、生成AI研究会幹事。
2019年診断士取得、毎日着物生活は6年目に突入しました。穏やかな語り口と着物の見た目から、経営者の悩みを聞いたり、従業員の本音ヒアリングを得意としています。
セミナー、執筆、経営相談など、お気軽にお問い合わせください!

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