家計調査年報ってご存知ですか?
突然ですが、家計調査年報ってご存知ですか?
これは、総務省の統計局が実施している「家計調査」をまとめた報告書です。世帯ごとの収入と支出、支出の構成などが細かくまとめられています
例えば「1世帯が1年間で秋刀魚にいくら使っているのか?」そんなことを無料で調べられる統計資料があるのです。気になる方はここからちょっと覗いて見てください。
家計調査年報を活用してみよう
では、実際に家計調査年報を使ってみてみましょう。使うためには統計データをダウンロードして、該当のデータの箇所を見つけて、エクセル等でまとめる必要があります。そうやって調べた1世帯あたりの1年間の和服の支出の傾向はこちら。
20年前は1年で7800円の支出があったものが、現在は約1/5の1500円程度に減少していることが分かります。平均単価20万円で着物を販売することを考えると、昔は25世帯に1つ売れていたものが、130世帯に1つしか売れなくなっています。
売上は「客数×客単価」なので、客数が減っている今、売上を上げようと思ったら、客単価を上げるしかなさそうですね。呉服店に入ると高い着物をゴリゴリ勧められるのは、きっとこんな背景なんでしょうね。
上記は単独の業種の推移を見てみましたが、他の類似の業種と比較してみると見えてくるものもあります。例えば習い事の支出についてまとめたものがこちら。
スポーツの習い事はコロナ前まで右肩上がりでしたが、コロナの影響を大きく受けたようです。音楽の習い事は右肩下がりで推移しています。スポーツ(サッカー・野球教室)や家事(料理教室など)は横ばいで推移しています。
新しく事業を始めるのであれば、スポーツや家事の分野だと、今後も堅実な需要が見込めそうだなと分かりますね。
ご相談お待ちしております
こんな正確な統計が無料で使えるって、結構すごいことだと思うんですが、皆様はどんな感想をお持ちでしょうか。コメントいただけたら光栄です。
ちょっと注意しないといけないのは、調査する年にとって項目が若干異なっているところがあるので、その辺を見極めて集計する必要があります。ちなみに最近だと「干しいわし」と「煮干し」が無くなって「他の塩干魚介」に統合されました。
なぜ「干しいわし」と「煮干し」が統合されたのか。その理由については、新潟県立大学の本間伸夫氏が次のように説明しています。
漁獲量の減少、それに伴う価格の高騰があり、調理や保存の難しさも指摘できる。高くて手間がかかるとなれば“魚離れ”も当然であり、整理される項目が出るのは必然である。
https://www.unii.ac.jp/seikatsubunka/journal/backnumber/23/23-1.pdf
なるほど。総務省の家計調査年報は、時代に合わせて項目が追加されたり整理されたりしているんですね。単年の統計を20年分繋げて1つのファイルにしておけば、調査するときに便利だなと思いましたが、年度ごとに項目が違うので、繋げるのがとても面倒で諦めました。
何か調べてほしいことがありましたら、お気軽にお問い合わせください!
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