千葉県中小企業診断士協会の生成AI研究会で、生成AIパスポート試験の紹介と攻略法を発表しました。
これまでの研究会はZoomで録画しながら開催して、開催後に限定公開していました。今回発表した内容は、一般の方にも需要があるかもしれないと思いましたので、その内容を公開してみます。生成AIパスポートの試験に興味がある方の受験のきっかけになれば幸いです。
以下はYoutubeの動画の内容をテキスト化したものになります。
生成AIパスポートとは?
生成AIパスポート試験は、生成AI(Generative AI)に関する基礎知識や活用スキルを認定する資格試験です。
この試験は、AI初心者でも受験でき、生成AIを安全かつ効果的に活用するためのリテラシーを身につけることを目的としています。この試験に合格すると、生成AIのリスクを予防し、企業のコンプライアンスに関わる知識を(それなりに)持つことが証明されます。
まぁ、2024年11月の時点では、持ってないよりも持ってた方が良いという程度の資格だと思います。なお、生成AIパスポート試験を運営している一般社団法人生成AI活用普及協会の理事長は井畑敏氏で、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会を設立された方です。生成AIパスポート試験もFP試験みたいに普及していくといいですね。
人にもよりますが、生成AIパスポートの勉強時間は10時間程度で、比較的あっさりと終わる内容です。合格率は75%、普通に勉強していたら普通に受かる難易度。2月・6月・10月にオンラインで受験できて、1日~月末の間であれば、いつでもOKです。
受験料とテキスト代を合わせると約15,000円。自腹で自己啓発のために受験するのも良し、会社で従業員のスキルアップのために受験させるのもよさそうです。
なお、団体受験の場合は最大20%の割引があるので、10名以上で受験するときは団体受験を検討してみてください。
ちなみに、生成AI関連の試験で「G検定」というものがあります。これは一般社団法人日本ディープラーニング協会が運営している試験で、生成AIパスポートよりもちょっと技術寄りの内容になります。勉強時間も30~40時間と長いですし、合格率も65%で低めなので、初学者は生成AIパスポートに取り組んでからG検定を受験するといいんじゃないでしょうか。
どんな内容を学ぶ?
生成AIパスポートのシラバスは5つの分野に分かれており、それぞれの内容は下記の様になっています。ボリュームの★は公式テキストのページ数を元に算出しました。
生成AIを安全かつ効果的に活用するためのリテラシーを身につけることを目的としているため、4章のセキュリティーや個人情報保護法、知的資産、AI社会原則などの内容が厚めになっていますね。逆に、それ以外の内容はあっさり目になっています。
2025年の試験でシラバスの改定が入っていますが、2024年までの試験の内容はこんな感じでした。
各章の難易度
ここからは個人的な主観になりますが、各章の難易度は下記の様になると思います。
個人情報保護法や特許権、営業秘密などは、普段の生活で学ぶ機会があまりないのと、学習のボリュームがあるので、難易度は★★★としました。これらの内容は中小企業診断士の1次試験で学習しますので、診断士であれば難易度は★に下がります。
また、人工知能や生成AIの仕組みや歴史については、G検定で学習するので、G検定を合格していれば難易度★になります。
つまり、中小企業診断士でG検定合格者であれば、ほとんどが既に勉強済みの内容となるのです。
勉強時間
一般の方の推奨勉強時間10時間を基に、中小企業診断士と、G検定合格済みの中小企業診断士の勉強時間を見積もったのがこちら。4章は時短できるので、診断士は7.5時間くらいで合格できると思います。G検定合格の診断士だったら、1章と2章を省略できるので、2時間くらいで合格できるんじゃなかろうか。知らんけど。
勉強方法
難易度が低いとはいえ、テキストの分量はそこそこあるので、普通に取り組むとしても数時間はかかります。「Transformerってどんな仕組みなんだろう。ちょっと調べてみよう…。」なんて寄り道をしていると時間が無限にかかります。深追いしないでさっさと進めましょう。
なお、どうしても深追いしたいときはYoutubeの3Blue1BrownJapanのチャンネルがお勧めです。難しい数式を追うことなく、直感的にいろんなことが理解できたような気になる内容です。
申し込みから受験まで
受験の申し込みと公式テキスト・問題集を発注してから、受験するまでの計画はこのようになります。
公式テキストは電子書籍と製本の2つがあります。電子書籍であれば、注文後すぐに勉強を始められますが、製本の場合は届くまでに数日かかります。その間、受験のモチベーションを落とさないように気を付けましょう。
概ね1日に1時間程度の勉強時間を確保して、10日程度あれば十分に合格を狙えると思います。1日~月末までにいつ受験してもいいので、先延ばしにする方が多いでしょうが、試験日を自分でしっかりと設定して、その日に向かって勉強を進めましょうね。先延ばし癖はよくないですよ。
動画で勉強したい方(非推奨)
どうしてもテキストで勉強したくない場合は、オンライン講座の視聴も検討してみてはいかがでしょうか。価格が高めなのとお勧めはしませんが。
ちなみにアビバは資料を請求しないと価格も内容も分からない謎仕様。こんなマイナーな試験でそんな不親切なことをやっててて生徒は集まるんでしょうかね?それとも既存の生徒に売ることしか考えていないんでしょうか。
講座名 | 運営会社 | 価格 | 講座内容 |
生成AIパスポート試験対策講座 | CLINKS㈱ | 15,000 円 | オンライン動画配信。7時間程度。2日間のリアル開催29,800円もあり。 |
生成AIパスポート試験対策アプリ | ㈱スキルアップNeXt | 1,200円 | オリジナル問題を235問収録した試験対策アプリ。 |
ビジネスパーソンのための対話型生成AI講座 | 本編:27,500円 対策編5,500円 | 200の練習問題と解説を収録した約4時間の試験対策講座。 | |
生成AIパスポート試験対策講座 | ㈱SIGNATE | 2,200円 | 動画とクイズを通じて、約3時間で学ぶことができる講座。 |
生成AIパスポート試験合格講座 | 株式会社東京リーガルマインド | 10,780円 | LECが企画・開発したWEB動画講座。合計5時間のWEB動画講座。 |
生成AIパスポート対策講座 | アビバ(AVIVA) | 不明 | 不明 |
まとめ
以上、診断士が受験する場合を想定して生成AIパスポートを紹介させていただきました。生成AIパスポートは約10時間で勉強が終わる合格率75%の試験です。簡単と侮ってたら診断士でも落ちるかもしれないので注意しましょう。
今回はG検定に合格していたら、生成AIパスポートの勉強が短時間で終わることをお伝えしました。まだG検定を受験されていない方は、生成AIパスポートである程度AIの試験に慣れた後に、G検定を受験するとスムーズに勉強が進むと思いますよ。
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