私と山月記

山月記を読まれたことはありますか?

佐野幹氏の著書「山月記はなぜ国民教材となったのか」によると、実に60年も前から高校生の教科書に掲載され続けているので、多くの方が多感な時期にこの文学に触れたことかと思います。

自分は茫然とした そうして懼れた

私は大人になってこの山月記を読み返してみて、中島敦にぶん殴られたような気持ちになりました。2004年に東京大学大学院を卒業してからというもの、自分の才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが自分の全てであったことに気がついたのです。

己の毛皮の濡れたのは

そして私は中小企業診断士の道に進む友人と切磋琢磨にする過程の中で、自分の中に潜む「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」を少なからず減らすことができました。このHPの屋号を「山月記経営研究所」としたのは、失敗を恐れずに何かに挑戦する気持ちを忘れないためです。

この胸を灼く悲しみを誰かに訴えたいのだ

もし何か一歩を踏み出せないでいる方がいれば、山月記を読んで自分を見つめ直すことをお勧めしたいです。

青空文庫 山月記 全文